HACCPにおける通信関連・IT業界の取り組み

私たちの暮らしの基本である食の安全性の重要さが叫ばれる中、日本でも義務化が検討されているHACCPという国際基準があります。HACCPとは、日本語で危害分析重要管理点といい、食品製造工程における安全確保のための管理手法のことです。今までの食品管理手法とは違い、製品になってからの抜き取り検査をするのではなく、製造のどの段階で異物混入などが起こりやすいかを予測・分析したうえで製品になる前に被害を未然に防ぐという方法です。この背景には食の安全強化という側面の他に、慢性的な人手不足による安全管理体制がおろそかになることを阻止する目的もあります。

このような手法を実際取り入れる際に活躍が期待されているのがIT・通信関連業界の技術力です。例えば、HACCPの手法のうち分析の行程においては漏れの無いデータ採取やデータ分析の精度の上昇といった場面でIT技術を用いて人手不足に対応する取り組みがなされています。また、通信関連業界が持つネットワークシステムの技術というのもHACCPに応用できるものがあります。その1例がネットワークインターフェースを持たない、従来型の厨房設備などをネットワークに接続できるようにし、PC上でリアルタイム管理ができるようにする技術です。

具体的には、厨房設備にLAN化に対応する機器を取り付け、ネットワーク上で管理できるようにするなど、既存の通信関連業界の技術を用いた手法でネットワーク化を可能にしています。これ以外にもIT・通信関連業界が食の安全に携われる場面は多く、これからの技術の進歩が期待されています。

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